誌上シンポジウム 高齢者(80歳以上)に対する人工膝関節置換術
緒言
守屋 秀繁
1,2
1千葉大学
2鹿島労災病院
pp.6-7
発行日 2008年1月25日
Published Date 2008/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101198
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言うまでもなく,近年,わが国は超高齢社会である.その中で80歳を過ぎて人工膝関節を希望する症例はそれほど多くはないとは言え,徐々に増加しているのも事実である.症例のほとんどは女性であり,これは女性のほうが長寿で,かつ心身ともに自立して生活しているケースが多いことにもよると思われる.
高齢者の希望に応えるべく,内心ひやひやしながら手術をしているのが現実であるが,高齢者に人工膝関節置換術のような大手術をするためには術前の注意深い検査や,術後の合併症に対する迅速な対応など,内科,麻酔科を含めた全科的対応が必要である.それらは最近,特に目を見張るほど進歩しており,同時に人工膝関節自体も改良が加えられ,以前とは比較にならないほど術後成績が安定してきたことなどで,比較的安心して行えるようになった.
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