特集 下垂足を極める—病態理解から治療戦略まで
緒言
須田 康文
1
Yasunori SUDA
1
1国際医療福祉大学医学部整形外科学
pp.5
発行日 2026年1月25日
Published Date 2026/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330610010005
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筋力の低下により足関節の背屈が困難となる下垂足は,形態上の問題だけではなく,歩きづらい,転びやすい,捻挫をしやすいなど,足関節周囲の機能障害にも通じ,整形外科の外来を受診される代表的臨床症状の1つである.下垂足例に遭遇すると,まず原因として腓骨頭での圧迫に伴う腓骨神経麻痺を疑うのが通例であろう.しかし原因はそれだけではなく,より上位での末梢神経障害,脊髄障害,筋断裂,脳神経内科疾患等で生じている可能性もあり,有効な治療を行うためには,下垂足という症状の背景にあるさまざまな疾患を鑑別する力が必要となる.本特集では,読者の方々に下垂足の診断・治療についてより広く深く理解していただくための一助となるよう,各分野で活躍されている先生方に解説をお願いした.
まず下垂足の診断と治療の基本的プロセスについて竹島憲一郎先生に述べていただき,次に原因となる各疾患については,脊椎疾患に関して磯貝宜広先生に,膝関節手術後に生じた総腓骨神経麻痺に関して中川裕介先生に,前脛骨筋腱断裂に関して及川龍之介先生に,ご自身の診療経験を交えて述べていただいた.また神経損傷の高位,損傷の程度と回復度合いを知るうえで有用な筋電図検査について高橋秀寿先生に述べていただき,後半では治療法について,リハビリテーション科の立場から髙橋宣成先生に,末梢神経外科の立場から木村洋朗先生に,足の外科の立場から安井洋一先生に,下垂足で失われた機能の再建まで含めて執筆いただいた.

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