特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧
Ⅴ.直腸癌・肛門管癌
直腸癌に対する自律神経温存手術
山口 高史
1
,
森谷 宜皓
1
,
赤須 孝之
1
,
藤田 伸
1
Takashi YAMAGUCHI
1
1国立がんセンター中央病院大腸外科
pp.169-175
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904647
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はじめに
今日,癌の外科手術において根治性はもちろんのこと機能温存の要求が高くなってきた.直腸癌術式に関しては自律神経温存術が括約筋温存術とともにきわめて重要な位置を占めるようになった.かつての拡大郭清1)は高度局所進展癌に対してのみ採用され,進行直腸癌に対しても郭清を伴う自律神経温存術が標準術式となり,適応を誤らなければ根治性に問題はない2).しかし神経温存術式の分類と適応に関する意見の統一は未だなく,施設間でかなりの相違がある.ここでは筆者らの分類を紹介し,実際の症例を呈示してそれぞれの術式の適応を考察する.
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