Japanese
English
臨床研究
中心静脈カテーテル挿入時の心電図モニター法による先端位置判定基準
Criteria for the electrocardiographic guidance in placing central venous catheters
浅井 俊哉
1
,
山東 勤弥
1
,
李 都相
1
,
光田 伸行
1
,
清水 義之
1
,
曺 英樹
1
,
岡田 正
1
Toshiya ASAI
1
1大阪大学大学院医学系研究科生体統合医学小児発達医学(小児外科)講座
キーワード:
中心静脈カテーテル
,
位置異常
,
心電図
,
中心静脈栄養法
,
判定基準
Keyword:
中心静脈カテーテル
,
位置異常
,
心電図
,
中心静脈栄養法
,
判定基準
pp.1701-1706
発行日 2002年12月20日
Published Date 2002/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905088
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
中心静脈カテーテル(central venous catheter:以下,CVC)挿入時の問題点および合併症にCVC先端の挿入時位置異常がある1〜3).CVCの先端は上半身からの挿入の場合,上大静脈内の右心房流入部手前に位置するのが適切とされている.しかし,CVC先端が上大静脈内にまで進まず,内頸静脈や反対側の鎖骨下静脈などに誤挿入(mislodg-ing)されることがある.このような状態で高濃度糖液を注入すると,静脈炎,血栓形成,輸液剤の血管外漏出(extravasation of fluids)などの合併症を引き起こす危険があり,カテーテルの再挿入が必要となる1〜4).
Mislodgingの発生頻度を減少させる方法の1つとして,CVC挿入時に心電図モニターを用いる方法(以下,本法)がWilsonら5)によって試みられた.この方法は具体的には図1に示したように,生理的食塩水などの電解質溶液で内腔を満たしたCVCを電極付きアダプター(以下,アダプター)を介して,心電図モニターと接続して心電図測定を行う.CVC先端部が上大静脈から右心房に近づくにつれ心電図のP波が増高し,さらに洞房結節を越えると2相性のP波となる.このP波の波形変化からCVCがmislodgingしていないかどうかの判断ができる6〜8).
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.