Japanese
English
特集 内視鏡下手術の現状と問題点
腹腔鏡下胆嚢摘出術の現状と問題点
Present status and problems of endoscopic surgery for the patients with gallstones
小田 斉
1
,
中村 光成
1
,
植木 敏幸
1
,
佐田 正之
1
Hitoshi ODA
1
1佐田厚生会佐田病院外科
キーワード:
腹腔鏡下胆嚢摘出術
,
急性胆嚢炎
,
上腹部開腹既往
,
胆管損傷
,
腸管損傷
Keyword:
腹腔鏡下胆嚢摘出術
,
急性胆嚢炎
,
上腹部開腹既往
,
胆管損傷
,
腸管損傷
pp.1371-1375
発行日 2002年10月20日
Published Date 2002/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904992
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過去11年間に当院で腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下,LC)を3,164例経験した.開腹手術を必要とする他臓器疾患が同時に存在しなければ原則としてすべての胆石症に対してLCを試みている.開腹移行率3.4%,手術時間54±37分,術後在院日数9.2±8.8日であった.Day surgeryを46例に実施し,37例が日帰りできた.急性胆嚢炎268例と上腹部開腹既往119例のLC困難例では開腹移行率が20%以上と高率で手術時間,術後在院日数も有意に延長した.合併症は胆管損傷13例(胆管完全切断6例,胆管部分損傷7例),開腹移行を要した出血5例,大腸損傷1例,術後胆汁漏8例でmorbidity 0.82%,mortality 0%であった.合併症のほとんどは急性胆嚢炎などLC困難例に発生した.LCは胆嚢疾患に対する低侵襲な標準術式として急速に普及したが,一方では常に危険をはらんだ手技であることを忘れてはならない.
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