文学漫歩
—鈴木光司(著)—『らせん』(1995年,角川書店 刊)
山中 英治
1
Hideharu YAMANAKA
1
1市立岸和田市民病院外科
pp.1122
発行日 2002年8月20日
Published Date 2002/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904952
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関西医大病院がクリニカルパスを導入したいということで講演に呼んで頂いた.母校は知人が多いので緊張もしたが,嬉しかった.終了後に副院長先生達と居酒屋「白木屋」に行った.大学も経営を真剣に考えねばならなくなって大変そうだが,教授で年収1,000万円というお話も寂しい気がした.新聞に載った高額納税者は消費者金融やパチンコ店関係者などが目立ち,医師は美容形成外科1人である.
ベスイスラエル・メディカルセンターの桑間雄一郎先生は『裸のお医者さまたち』(ビジネス社刊)で,日本の医師は名誉,実力,お金は同時に得られず,1つを選ばねばならないと述べられている.大学教授になるにはネズミや細胞を使った実験をして,多くの論文を書くのに精力を費やす.教授という名誉はあるが給料は安い.第一線病院で臨床経験を積んだ実力のある医師も,一流病院は大学人事なので部長にはなれないし給料もそう高くない.お金儲けに精を出すと,研究や臨床はできない.
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