Japanese
English
臨床研究
自動分析器「ECLusys2010」による術中迅速PTH測定法の検討
Intraoperative quick PTH assay using ECLusys2010
山下 弘幸
1
,
山岡 美穂
2
,
猪俣 啓子
2
,
内野 眞也
1
,
渡辺 紳
1
,
山下 裕人
3
,
野口 志郎
1
Hiroyuki YAMASHITA
1
1野口病院外科
2野口病院検査科
3野口病院病理
キーワード:
副甲状腺摘出術
,
術中副甲状腺ホルモン測定
,
自動分析
Keyword:
副甲状腺摘出術
,
術中副甲状腺ホルモン測定
,
自動分析
pp.233-236
発行日 2002年2月20日
Published Date 2002/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904784
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はじめに
原発性上皮小体機能亢進症(pHPT)に対する画像診断の進歩1,2)による正確な部位診断ができるようになり,治癒率が高くなっているが,上皮小体は過剰腺や異所性腺の存在,腺腫だけでなく過形成,癌などの解剖・病理学的多様性のために手術が困難な症例もある.手術治療の治癒率を高めるには術前・術中の診断が重要である.
術中の補助手段として欧米を中心に術中副甲状腺ホルモン(I-PTH)の迅速測定が行われ,その有効性が報告されている.欧米では原発性副甲状腺機能亢進症の初回手術例では部位診断を行わない施設もあるが3,4),部位診断に病的腺切除後のI-PTHの迅速測定をすることにより,片側あるいは1腺のみの縮小手術で終了する施設もあり,後者では内視鏡下手術との併用も行われている5〜8).一方,わが国では部位診断を行わない施設はほとんどないが,術中測定用のキットが認可されていないので,I-PTHの術中迅速検査はほとんど行われていない9).当院では,日本メジフィジックス社のルミコPTHを用いて短時間の測定に改良し,術中の補助手段としての有効性を報告してきたが10〜13),本年からロシュ・ダイアグノスティックス社の全自動電気化学発光免疫測定装置「ECLusys2010」(エクルーシス,図1)に変更した.今回,エクルーシスによる術中I-PTH測定の有用性およびルミコPTH迅速法との比較について検討した.
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