Japanese
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特集 サイトカインからみた周術期管理
重症急性膵炎時の多臓器不全とサイトカイン
The role of cytokines in the development of multiple organ dysfunction syndrome following severe acute pancreatitis
林田 博人
1
,
村田 厚夫
2
,
樽井 武彦
1
,
金 成弼
1
,
渡辺 康則
1
,
加藤 健志
1
,
北川 和則
1
,
門田 守人
1
,
松浦 成昭
3
Hiroto HAYASHIDA
1
1大阪大学医学部第2外科
2兵庫県立西宮病院外科
3大阪大学医学部保健学科病理
キーワード:
重症急性膵炎
,
サイトカイン
,
肺障害
Keyword:
重症急性膵炎
,
サイトカイン
,
肺障害
pp.591-596
発行日 1997年5月20日
Published Date 1997/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902717
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重症急性膵炎は多臓器不全を伴う全身疾患である.かつては逸脱酵素の作用により遠隔臓器に炎症が波及すると考えられたが,近年生体防御に果たすサイトカインの役割解明が進み,逸脱酵素に代わって有力視されるようになった.膵で誘導された炎症性サイトカインはSIRSをもたらすとともに白血球,血管内皮細胞の活性化を促進し,肺をはじめとする遠隔臓器に炎症細胞が集積する,しかしここから先は未だ解明されていない,集積した炎症細胞が活性化されて,二次的炎症がはじまり,ある時点で破綻して臓器障害に至ると考えられているが,その過程は推測の域を出ない,従来の一元的な好中球障害説に加え,巣球が関与する可能性をわれわれの動物実験に基づいて考察する.
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