カラーグラフ 食道癌の内視鏡下手術・1
腹腔鏡下胃管作製術
小澤 壯治
1
,
安藤 暢敏
1
,
大上 正裕
1
,
北川 雄光
1
,
北島 政樹
1
Souji OZAWA
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.1497-1501
発行日 2000年12月20日
Published Date 2000/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904314
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はじめに
食道癌の低侵襲手術は胸部食道癌に対する胸腔鏡下食道切除から試みられた.1993年にGossotら1)が胸腔鏡下手術は施行可能であることを報告したが,その後1995年に彼らはprospective studyを行い開胸手術に比べて利点がないと否定的な結論を出した2).一方,Akaishiら3)はリンパ節郭清が開胸術と同程度に施行可能であり,開胸術に比べて術後呼吸機能の回復が早く,術後疼痛も軽度であると報告した.しかし,術後早期の肺活量低下が開胸術と同様に認められる点が問題であり,何らかの対策が必要と考えられていた.
Ochiaiら4)は食道癌術後の呼吸機能は胸式呼吸から腹式呼吸へすみやかに移行するほどその回復が早いと報告した.すでにJagotら5)は閉塞性肺疾患を併存した患者に腹腔鏡下胃授動術を行い,開胸術や非開胸食道抜去術と組み合わせて,リスク患者におけるその有用性を報告していた.
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