手術テクニック
食道癌治療における腹腔鏡下胃管作製術
宮崎 修吉
1
,
赤石 隆
2
1東北大学医学部第2外科
2赤石病院外科
pp.328-330
発行日 1999年8月15日
Published Date 1999/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900048
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
食道癌治療における腹腔鏡の導入は,歴史的には胸腔鏡の導入に遅れて始まった.胸腔鏡と腹腔鏡を併用すれば内視鏡下食道切除再建術は頸部吻合操作を除いてほぼ完成するが,その他にもう少し積極的な意義が期待できると考える.
胸腔鏡による食道切除は,術後長期的な肺機能の保持については従来の開胸術式に比べて明らかに優れているが,術後早期の肺機能の低下がやはり認められることが判明した1).この術後早期の肺活量の低下は非開胸食道抜去術でも同様に認められることから,術後早期の肺機能への腹部操作の影響が注目されるようになった2).一方,胆嚢摘出術における腹腔鏡と開腹との比較では,腹腔鏡によるほうが術後48時間までの肺機能が有意に良好との結果が示されている3).
Copyright © 1999, JAPAN SOCIETY FOR ENDOSCOPIC SURGERY All rights reserved.