メディカルエッセー 『航跡』・41
縦書きのすすめ
木村 健
1
1アイオワ大学医学部外科
pp.476-477
発行日 2000年4月20日
Published Date 2000/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904081
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「わたしは4月から医学部最終学年の6年目に入る学生です.選択科目の中に,外国大学医学部見学が許されているので,アイオワ大学病院で見学をしたいと思います.如何でしょうか」.送られて来たEメールの文面を読むと,まさに身勝手で一方的な今どきのニッポンの若者の言い草である.ムッとしながらも,将来はいったいどんな専門分野に進むつもりか,と尋ねてみる.戻ってくる返答は,「よくわかんないのですが,とりあえず内科で研修をすることにしています.研修の途中で他に面白いと思う科がでてきたら,その科に移りたいと思っています」.「小児外科はどうだい?」と水を向けると,「はあ,小児科にも興味がありますので,内科を1年したあと小児科に移った時点で考えてみようかと思っています」「小児外科と小児科はまったく違う分野だよ,片や外科,片や小児科だからね」「でも,同じこどもを扱う科ですから….こどもは昔からなんとなく好きですから,自分に合うのではないかと思います」「こどもだろうと,大人だろうと,外科はメスを持って人様のからだを切って治してナンボの科なのだ.これと正反対に,生まれたての赤んぼから15,6歳のティーンエージャーまでバラエティーのある患者を診て,検査して,疾患を見つけて,薬を飲ませて治療するのが小児科だ.
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