私の工夫—手術・処置・手順
大腸癌イレウスにおける人工肛門造設の工夫—特にストーマ皮膚縫合とその断端処理
渡部 脩
1
,
岩瀬 博之
1
Hisashi WATANABE
1
1江東病院外科
pp.474-475
発行日 2000年4月20日
Published Date 2000/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904080
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人工肛門は,その目的によりpermanent colostomyとtemporarycolostomyに分けられる.近年大腸癌が増加し,その中でも直腸癌,S状結腸癌の占める割合は多く,腹会陰式直腸切断術やHartmann手術に伴うcolostomyも色々,工夫されている.
閉塞性大腸癌の場合,一期的に手術をするか,二期的にするかは症例により,また術者の技量,施設の方針などにより異なる.いずれにしても,下部大腸の病変ではイレウス管を挿入しても硬い糞便でつまってしまうため,減圧は困難である.そして腸管の減圧が遅れれば遅れるほど,腸管の血行障害,敗血症の危険は高まる.減圧が不良なとき,特に高齢者などでは侵襲を少なくするためにも,手術時間を短縮し,腸内容を早く排出することが肝要である.しかし実際には,手術時に腸管にタバコ縫合をかけてカテーテルを挿入しても,同様に硬い糞便の排出は洗浄を加味しても難しく時間もかかる,また一期的にstomaを開放してLemmer-Mehnert法1)を行っても腸内容が噴出し,腸管と皮膚の縫合の前に術野が汚染され,感染をおこす可能性が高い.
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