連載 知識をいかに体系化するか
縦書きと横書き:新聞と小説の横書き印刷は何年後か
諏訪 邦夫
1
1帝京短期大学
pp.78-79
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100574
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今回は表題のテーマを扱いますが,そのきっかけはこうです。
最近,医学部時代のクラスの雑誌の編集を担当しました。数年前に1957~61年の古い謄写版誌を電子化した際は,最終編集は友人がしてくれて,縦書きの問題を自分では意識しませんでした。しかし,彼が亡くなり仕事を私が引き継ぎました。今回のは新しい投稿で,基本的に横書きで書かれた文章を,旧来の縦書きに合わせるべく修正しようとして,主に数字と横文字を縦書き用に,例えば算用数字を漢数字に直す作業がけっこう面倒で,その不合理に強く印象づけられました。この変換は自動的に行う設定も可能ですが,それでは希望通りにならず手作業で行いました。
1957年当初のクラス雑誌は,原稿も多分縦書きだったでしょう。しかし,今回の原稿はほぼすべて横書きで,それを慣例で縦書きに直しました。2年後に50周年誌を出す予定ですが,その際は横書きのままの印刷を真面目に考えましょう。執筆者は医師ですから,70歳以上でも「横書きにしよう」と提案すれば賛成してもらえる可能性も高いと想像します。
けれども,一般の方々に「縦書きをやめよう」と言うのは,唱えることは簡単でも,実現はなかなか大変でしょうか。縦書き問題の歴史などを持ち出すと話がややこしくなるのでやめて,現状と自分の履歴や考えを中心にこの問題を考察します。
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