今月の臨床 帝王切開
帝王切開の実際
25.体部縦切開
髙木 耕一郎
1
Koichiro Takagi
1
1東京女子医科大学母子総合医療センター
pp.710-711
発行日 1992年6月10日
Published Date 1992/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900897
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子宮体部縦切開による帝王切開術は,古典的帝王切開とも呼ばれるように経腹的な分娩の歴史を語る際には重要な意義をもつものの,次回以降の妊娠・分娩において子宮破裂を代表とする種々の合併症を伴うことから,ほとんど行われることはなかった。しかし,近年未熟児医療の進歩により未熟児分娩に対する帝王切開を行う機会が多くなるに伴い,これら未熟児に対する深部横切開法の手術侵襲の問題から,体部縦切開が再び脚光を浴びるに至った。本稿では特に1,000g未満の極小未熟児の経腹的分娩の方法の一つとしての体部縦切開について,手術手技,ならびに,術前,術中管理につき,著者の所属する施設における方法を中心に述べることとする。
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