特集 薬物療法マニュアル
Ⅶ.併存病態の理解と薬物療法
4.消化器疾患
急性胆嚢炎
島津 元秀
1
Motohide SHIMAZU
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.480-482
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903925
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基本的な事項
急性胆嚢炎の発症機序としては一般的に,1)胆石,2)上行性感染などによる細菌感染,3)胆汁酸などの化学的刺激,4)胆嚢の収縮異常,4)胆嚢動脈の血行障害などが挙げられるが,最も頻度の高いものは胆石を伴う胆嚢炎であり,90%以上を占める.胆石胆嚢炎は胆石により胆嚢管が閉塞して胆汁うっ滞が生じ,それに胆汁成分の化学的刺激や細菌感染が加わって発症すると考えられている.胆石胆嚢炎では外科的な胆嚢摘出術が根治的な治療法であり,基本的には薬物療法は疼痛および炎症を抑えて危険な緊急手術を回避し,全身検索後に良い条件で待期手術を行うための一時的な治療と位置づけられる.
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