特集 薬物療法マニュアル
Ⅴ.悪性腫瘍の薬物療法
胆嚢・胆管癌
三枝 庄太郎
1
,
田端 正己
1
,
川原田 嘉文
1
Yoshifumi KAWARADA
1
1三重大学医学部第1外科
pp.338-340
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903876
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胆道癌に対する薬物療法の位置づけ
胆道癌(胆嚢・胆管癌)に対しては化学療法や放射線療法はほとんど効果なく,外科的治療が唯一の治療法と言っても過言ではない.しかし,早期発見例は少なく,大半は閉塞性黄疸を伴った進行癌であることや,発生部位が肝・膵あるいは門脈・肝動脈などの主要血管に近接するといった解剖学的特性から,その切除は必ずしも容易なことではない.したがって,切除のみならず切除不能例への対応も重要であり,この場合には適切な減黄とともに,良好なQOLを得るための薬物療法が大きな柱となる.一方,切除例といえども胆道癌は悪性度が高く,容易に再発をきたすことから,再発予防のための集学的治療の一環として薬物療法が行われている.なお,進行胆道癌の多くは閉塞性黄疸という特有の病態を呈するが,その管理の面でも薬物療法の果たす役割は大きい.
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