増刊号 臨床生理検査実践マニュアル画像検査を中心として
Ⅰ.超音波検査法
3.検査の実際
2)上腹部
(2)胆嚢・胆管
佐久間 浩
1
1(財)癌研究会附属病院中央検査部
pp.67-72
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902317
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胆嚢
胆嚢の解剖(図1)
胆嚢は肝右葉下面の胆嚢窩に位置する西洋梨形または長茄子形をした袋状の臓器であり,その約1/3は胆嚢窩において結合組織で付着し,残りは肝とともに腹膜で覆われている.大きさは,長径が6〜8cm,短径が2〜3cmであり,その容量は30〜50mlである.胆嚢は底部,体部,頸部の3つに区分される.体部から頸部に移行する部分は嚢状に突出することがあり,これは漏斗部と呼ばれる.頸部は屈曲して,らせん状の胆嚢管に連続する.胆嚢壁は粘膜層,粘膜下層,筋層,漿膜層からなり,その厚さは通常1〜2mmである.
胆嚢は肝臓において生成された胆汁を濃縮して蓄える.胆汁は消化酵素を含まないが,消化と吸収を促進する働きがある.
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