特集 薬物療法マニュアル
Ⅳ.術後愁訴と合併症の薬物療法
7.消化器系
術後肝機能障害
緑川 泰
1
,
幕内 雅敏
1
Yutaka MIDORIKAWA
1
1東京大学医学部肝胆膵外科
pp.299-301
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903863
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基本的な事項
術後肝機能障害は多くの場合が術後の一過性で可逆的な合成能・代謝能の低下であるが,時には意識障害,消化管出血を伴う致死的な術後肝不全に至る場合もある.主な原因としては慢性肝疾患患者に対する手術侵襲,過剰肝切除,麻酔薬,抗生剤,中枢神経薬,抗癌剤などの薬剤投与,輸血,感染,高カロリー輸液,潜在する体質性黄疸など多岐にわたる.術後に生じた肝機能障害に対処するには周術期の厳密な輸液量,カロリー,電解質の管理が重要である.
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