Japanese
English
特集 外科診療とステロイド療法
肝切除時の血行遮断とステロイド投与
Administration of steroid against hepatic ischemia-reperfusion injury
緑川 泰
1
,
橋倉 泰彦
2
,
幕内 雅敏
1
Yutaka MIDORIKAWA
1
1東京大学医学部肝胆膵外科
2信州大学医学部第1外科
キーワード:
肝虚血後再灌流障害
,
全肝阻血
,
炎症性サイトカイン
,
フリーラジカル
Keyword:
肝虚血後再灌流障害
,
全肝阻血
,
炎症性サイトカイン
,
フリーラジカル
pp.921-924
発行日 2002年7月20日
Published Date 2002/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904917
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
肝切除および肝移植手術中における肝阻血は必須の手技である.しかし虚血後再灌流による肝組織微小循環障害にともない,炎症性サイトカイン,フリーラジカルの産生・放出による肝細胞傷害が生じ,その結果,術後肝再生障害,肝不全が起こりうることを念頭に周術期管理を行わなくてはならない.その対策として手術手技の向上のみならず,ステロイドやウリナスタチンの投与により術後に起こりうる合併症を回避する試みが,動物実験,臨床の場でもなされている.虚血後再灌流傷害とステロイド投与による抑制のメカニズムを理解し,副作用としての免疫抑制による感染を予防しながら,適切に肝切除術後の管理をすることが望まれる.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.