特集 薬物療法マニュアル
Ⅱ.検査・処置・内視鏡的治療に伴う薬物療法
5.肝胆膵
PEI(経皮的エタノール注入療法)
浅原 利正
1
,
片山 幸治
1
,
板本 敏行
1
,
土肥 雪彦
1
Toshimasa ASAHARA
1
1広島大学医学部第2外科
pp.132-133
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903801
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はじめに
肝細胞癌に対する治療としては外科的切除,経皮的エタノール局注療法(PEI),経カテーテル的肝動脈塞栓療法(TAE)などが代表的である.
経皮的エタノール局注療法(PEI)は毒性が少なく,かつ迅速な組織凝固作用を持つ99.5%無水エタノールを超音波ガイド下に腫瘍に注人し,その周囲肝実質を含めて壊死させようとする局所治療法であり,1982年にEbaraらによって開発された1,2).その適応基準は腫瘍径3cm以下,腫瘍数3個以内とされ,以来この適応基準が広く用いられ現在に至っている.PEIの特徴は局所麻酔下に超音波ガイド下穿刺術を応用した手技を用いることにより,簡便かつ低侵襲で繰り返し施行できる点にある.しかし,当然のことではあるが超音波検査で描出の不良な腫瘍や,難治性腹水や高度の黄疸,出血傾向などの重篤な肝不全例はその適応外となる.
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