特集 薬物療法マニュアル
Ⅰ.救急患者の薬物療法
5.呼吸器系
呼吸困難
相馬 一亥
1
Kazui SOMA
1
1北里大学医学部救急医学
pp.64-65
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903776
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基本的な事項
呼吸困難は一般的に呼吸仕事量の負荷に伴って感じられ,その受容体は化学受容器(中枢性,末梢性),肺内受容器(伸展受容器,刺激受容器,C線維),呼吸筋受容器が知られている.最も関連性が高いのは呼吸筋受容器と考えられている.換気の機械的障害は拘束性障害と閉塞性障害の2つに分類され,拘束性障害の特徴は吸気・呼気が最大に行えない状態で,肺のコンプライアンスの低下,正常肺組織の非換気病変による占拠,呼吸筋力低下あるいは呼吸筋麻痺,胸郭の運動障害によって生じ,臨床的には浅い速い呼吸となる.一方,閉塞性障害は気道閉塞・狭窄による障害であり,上気道あるいは下気道狭窄に分類される.原因は異物,炎症,腫瘍,気道攣縮,弾性力低下などである.
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