徹底分析シリーズ 感染症を克服する:基礎編
VAP(人工呼吸器関連肺炎)の予防と治療
相馬 一亥
1
Kazui SOMA
1
1北里大学病院 救命救急センター
pp.880-883
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100187
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気管挿管後人工呼吸器管理により発症する院内肺炎である人工呼吸器関連肺炎ventilator-associated pneumonia(VAP)は,集中治療領域における最も多い感染症の一つであり,VAPの合併により死亡率や入院期間,医療費のすべてが増加することが知られている。2005年に米国胸部学会American Thoracic Society(ATS)と米国感染症学会Infectious Diseases Society of America(IDSA)の合同で,わが国では2008年にVAPを含めた院内肺炎のガイドラインが発表された1,2)。さらに米国では医療事故防止と医療の質の向上のためにVAP予防のキャンペーン活動が展開されており,VAPバンドルの実施が推奨されている。わが国でもVAPを含む医療関連感染症の防止のキャンペーンが展開されつつあることからも,VAPの予防はきわめて重要な課題といえる。
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