Japanese
English
特集 癌転移治療のノウハウ
転移性肝腫瘍に対する外科的切除の適応と限界
Indications and contraindecations of hepatic resection for liver metastases
杉岡 篤
1
,
江崎 哲史
1
,
藤田 順子
1
,
小森 義之
1
,
松井 英男
1
,
宇山 一朗
1
,
蓮見 昭武
1
,
丸田 守人
1
Atsushi SUGIOKA
1
1藤田保健衛生大学消化器外科
キーワード:
大腸癌肝転移
,
肝切除
,
画像診断
,
angio CT
Keyword:
大腸癌肝転移
,
肝切除
,
画像診断
,
angio CT
pp.181-189
発行日 1999年2月20日
Published Date 1999/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903519
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転移性肝腫瘍に対する肝切除の適応と限界は画像診断および肝臓外科の進歩に伴い変化しつつある.本稿ではangio-helical CT(AHCT)の導入後の肝切除の適応と限界につき大腸癌肝転移切除例93例を中心に検討した.AHCTは1cm以下の微小肝転移の診断に不可欠であったが,検出限界は3mmで,5mm前後の腫瘍の質的診断は困難であった.AHCT施行例において残肝無再発生存率は良好で,特にH3症例でも良好であったが,生存率に対する効果はみられず,今後残肝以外の再発巣に対する治療が重要と考えられた.肝切除後の残肝再発切除を13例,肺転移切除を6例に施行し,良好な成績が得られたが,残肝再切除においてもAHCTが有用であった.非大腸原発肝転移17例を切除し,3例の5年生存例を得たが,大部分の症例は1年以内に再発死亡し,現時点では適正な肝切除の適応決定は困難であった.
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