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特集 癌転移治療のノウハウ
大腸癌肝転移に対する肝動注療法
Hepatic arterial infusion for liver metastases from colorectal cancer
奥野 清隆
1
,
安富 正幸
1
Kiyotaka OKUNO
1
1近畿大学医学部第1外科
キーワード:
大腸癌肝転移
,
肝動注
,
Interleukin−2
Keyword:
大腸癌肝転移
,
肝動注
,
Interleukin−2
pp.171-179
発行日 1999年2月20日
Published Date 1999/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903518
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大腸癌肝転移に対する肝動注療法は主として肝動脈から血流を得る肝転移巣に効率よく薬剤を作用させ,かっ肝抽出率の高い5-FUやFUDRを用いることで全身への副作用を抑制するきわめて理論的な局所療法である.事実,欧米の無作為化試験における肝動注の奏効率は約40〜60%と全身静注のそれが20%程度であるのに比較して有意に高い.しかしながらその高い抗腫瘍効果が生存期間の延長に寄与していないという指摘もある.本稿ではその考察を行うとともに,これまで筆者らが施行してきたリンパ球増殖因子Interleukin-2(IL-2)と化学療法剤(5-FU, Mitomycin C)を併用する免疫化学肝動注療法の成績を紹介し,その作用機序がIL-2の肝類洞内リンパ球の活性化のみでなく,併用する化学療法剤の効果を向上させる薬理作用も存在するという解析結果を報告した.
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