特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅱ.頭部・顔面・口腔・咽頭
35.サーファーズイヤー
小林 一女
1
Hitome KOBAYASHI
1
1昭和大学医学部耳鼻咽喉科
pp.98-99
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902912
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疾患の概念
外耳道に発生する良性腫瘍はNelmsとPaparella1)の報告によると,上皮性原基,間質性原基,メラノーマに分類されている.上皮性原基では乳頭腫が最も多く,次いで腺腫が多く認められる.間質性原基では骨腫,外骨腫が多く,これに血管腫が次ぐ.
外骨腫(exostosis)は骨部外耳道の骨の増殖である(図1).海水など冷水に長期間さらされる場合発生することが知られ,潜水を職業とする人に認められることが知られていた.外骨腫(exos-tosis)は近年サーファーにも好発することよりサーファーズイヤーとも呼ばれている.中嶋ら2)はサーファーを対象とした検診の結果,プロでは51人中41人(80.4%),102耳中71耳(69.3%),アマチュアでは186人中98人(52.7%),327耳中159耳(42.7%)に認められたと報告している.また経験年数が4年目頃より出現し,5年目以後進行すると報告している.特に海水の温度の低い冬季でもサーフィンを行うプロにおいて,高度のサーファーズイヤーが認められている.
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