特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅱ.頭部・顔面・口腔・咽頭
34.耳介血腫
小林 一女
1
Hitome KOBAYASHI
1
1昭和大学医学部耳鼻咽喉科
pp.96-97
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902911
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疾患の概念
耳介血腫は主に耳介の前面に血液が貯留して生じる.特に耳輪,対輪脚,三角窩,舟状窩など耳介の前上方にできやすい.解剖学的に耳介の後面には皮下に脂肪,筋組織が認められるが,前面は薄い皮膚が直接軟骨膜に接している.このため外力が加わると皮膚と軟骨との間(多くは軟骨膜と軟骨の間)が剥離され,ここに血腫を生じる.
原因は繰り返し耳介に外力が加わる相撲,柔道,ラグビー,レスリングなどのスポーツが多い.その他オートバイのヘルメットの装着で生じることもある.また明らかな原因のない特発性の耳介血腫の報告もある1).特発性の血腫は中年男性に多く,再発しやすい.
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