特集 外来診療マニュアル—私はこうしている
II.外来治療の実際—私の処方
17.サーファーズ・イァ
梅田 悦生
1
,
植松 美紀子
1
1関東中央病院耳鼻咽喉科・神経耳科
pp.172-174
発行日 1991年11月5日
Published Date 1991/11/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900413
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概説
職業的に潜水する人(海女・漁師・潜水夫),水中スポーツ(水泳・ヨット・ダイビング等)をする人たちの外耳道に,骨性の狭窄がしばしばみられることは古くから知られている.その本態は,頻繁に冷水刺激を受けることによる反応性の骨部外耳道の外骨腫“exostosis”とされるが,この現象が特にサーファーに好発することが明らかになり,サーファーズ・イァと命名されるに至っている.ダイバーの25%,ヨットマンの37%に見られたとの報告があるほか,われわれが1986年に行った検診では,プロ・サーファーの80%に,アマチュア・サーファーの53%に外耳道狭窄が認められた.
外耳道の狭窄はサーフィンを始めて4年目頃から認められるようになり,その後もサーフィンを続けると徐々に進行していく.個体差も,サーフィンをする頻度にもよるが,10年で8割程度の狭窄に至ることが多い.また,平均水温の低い海岸をホームグラウンドとするサーファーほどサーファーズ・イァになりやすく,その進行も早い.
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