特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
11.ヘルニア手術
小児の鼠径ヘルニア手術
大浜 用克
1
1神奈川県立こども医療センター外科
pp.224-227
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902481
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小児鼠径ヘルニアの手術は外科初期研修でその訓練を受けているが,minor surgeryであるがゆえに,すべてがうまくいって当たり前であり,地域差や小児外科医の不足など,解決すべき課題はあるとしても,今や小児麻酔を得意とする麻酔医のいる施設で小児外科専門医(認定医,指導医)の指導下で手術されるべき時がきていると理解すべきであろう.ヘルニア手術例の約80%の患児はヘルニア以外には慢性疾患のない健康な子である.母子の入院生活,母子間の隔離など日常生活を損なう入院を1日でも減らし,日帰り手術を目指すようになりつつあるので,手術の準備は外来で行われている.約20%の患児は何らかの合併疾患を有しており,関連する専門医と連携して,適切な術前準備を行うことが必要である.
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