病院めぐり
国立岩国病院外科
竹内 仁司
pp.1601
発行日 1995年12月20日
Published Date 1995/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902160
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国立岩国病院の歴史は,海軍軍人傷病者の収容施設として昭和17年に創設された岩国海軍病院から始まる.終戦とともに厚生省に移管され名称を国立岩国病院と改め,現在580床の総合病院になっている.外科の歴史を振り返ると,昭和20年代は肺結核が猛威を振るい肺切除を中心にした外科であった.しかし,増加しつつある癌に対応するため,昭和31年にはいち早く癌診療センターが設置され,胃癌中心に癌の早期発見・早期治療に取り組むようになった.また,昭和30年代後半になってモータリゼーションの発達とともに交通事故による外傷が増加したため,整形外科,脳外科が外科より分離・創設された.さらに,昭和54年には心臓血管外科が創設され,昭和55年の救急救命センター設置へと発展した.また,昭和57年には地域医療研修センターが設置され,病診連携のなかで地域医師の生涯教育の一端を担っている.
現在,外科は小長副院長をチーフとし,一般消化器外科5人,心臓血管外科3人,呼吸器外科2人,小児外科1人,研修医6人の計17人で構成されている.同一科内で広い診療分野を担当しているため,血管外科を応用した拡大手術などは日常的に行っている.また,消化管出血・食道静脈瘤・早期癌に対する内視鏡治療,気胸・胆石に対する胸腹腔鏡治療などの縮小手術を早くより取り入れ,学会で発表するとともに地域医療の発展・啓蒙にも一役買ってきた.
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