特集 術後1週間の患者管理
Ⅳ.術後合併症の予防と対策
術後急性胆嚢炎
蓮見 昭武
1
,
菅谷 宏
1
,
杉岡 篤
1
,
小森 義之
1
1藤田保健衛生大学消化器外科
pp.388-389
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902105
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概念・特徴および成因
肝・胆道系以外の疾患に対して行われた手術後,その影響が取りきれていない術後早期の期間に発症した急性胆嚢炎をいう.特に術後7〜10日目頃,ないし術後の経口摂取を再開した数日後に発症することが多く,大多数が胆石を伴わない無石胆嚢炎である.
本邦での発生頻度は全手術例の0.06%,開腹手術の0.09%と報告1)され,胃切除術・食道癌手術など上腹部手術後の例が多いが,下腹部手術後や心臓外科・整形外科など非開腹手術後でも発症することがある.術後という特殊な状況下で発症するため,胆嚢炎の症状が隠蔽されがちで診断が難しく,また経過が急速で胆嚢の壊死・穿孔など重篤化しやすく,診断・治療の遅れが予後不良につながることが多い.
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