特集 術後1週間の患者管理
Ⅳ.術後合併症の予防と対策
術後急性膵炎
高橋 伸
1
,
池田 信良
1
,
玉川 英史
1
,
北島 政樹
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.390-392
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902106
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術後急性膵炎は比較的稀な合併症であり,診断がつきにくいこと,重症例が多く死亡率が高いという特徴がある.White1)らの術後急性膵炎70例の検討によれば,発生頻度は膵損傷の可能性がある胆道手術では0.7%(30/4,482),胃切除術では0.8%(17/2,096),脾臓摘出術では0.8%(3/373)であり,死亡率は42%(30/70)であった.厚生省特定疾患難治性膵疾患調査研究班が1988年に行った全国調査でも,術後重症膵炎は重症膵炎の5.4%(63/1,160)を占め,死亡率は49%(31/63)と高率であった2).
以下に,術後急性膵炎の診断,治療,予防について述べる.
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