特集 肥満とやせ
肥満,肥満症の病態
宮崎 滋
1
1東京逓信病院内科
pp.450-455
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101815
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日本の肥満
現在,肥満の判定にはBody Mass Index[BMI:体重(kg)÷身長(m)2]を用い,日本ではBMI25以上を肥満としている.このBMI25以上の肥満者が増加し,医学的にも社会的にも問題となっているのは周知の通りである.
第二次世界大戦後の日本人の性別,年代別の平均BMIの変化を見ると,1947年には男女とも21~22の間であったが,男性は以後全年代で増加の一途をたどり,現在の30歳以上の男性の平均的BMIは23.5~24.0であり,ほぼ2.5kg/m2増加している(図1).これは体重にすると6~8kgの増加に相当する.一方,女性は40歳代以下ではBMIは減少し続けており,やせすぎの問題が生じている.しかし,60歳代以降では体重の増加が認められている.メタボリックシンドロームの該当者も,全世代の男性と高齢の女性に多いことも,体重の増加との関連があると思われる.
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