特集 術後1週間の患者管理
Ⅰ.術式別:術後1週間の患者管理
14.内視鏡的手術
内視鏡的食道静脈瘤硬化療法
板東 登志雄
1
,
北野 正剛
1
1大分医科大学第1外科
pp.281-285
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902064
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食道静脈瘤患者は基礎疾患として肝硬変症を有する症例が大半であり,EIS,EVLなどの内視鏡的治療といえども術後の合併症として肝・腎・肺障害が少なからずみられ,術中の手技はもとより周術期の管理は治療の成否に大きな比重を占めるものと考えられる.術後は静脈瘤からの再出血,食道潰瘍出血,胃出血などの出血のコントロールはもとより,肝不全の予防が最も大切であり,呼吸器や腎の合併症の発生にも注意を要する.アルブミンや新鮮凍結血漿の投与による循環動態の安定,酸素投与,栄養状態の改善,肝性脳症の防止,腹水のコントロールなどを重点的に管理する必要がある.
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