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食道静脈瘤の内視鏡的硬化療法
三條 健昌
1
,
出月 康夫
1
1東京大学医学部・第2外科
pp.1428-1433
発行日 1986年8月10日
Published Date 1986/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220501
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食道静脈瘤の治療は確実に進歩してきているが未解決の問題も多い.食道静脈瘤の治療は原疾患の治療ではなく合併症である1つの症状を治療目的としており,その治療成績は原疾患の病態に大きく影響され,natural historyが予後を決定する因子として重要である.治療は,食道静脈瘤を完全に消失させることが望ましいが,病態においては食道静脈瘤からの出血を止めること,あるいは出血の予防で満足しなければならないことが多い.いずれにしても治療法は原疾患に対する影響がないものが望ましい.治療成績は,肝機能障害度,門脈圧亢進症の原疾患,食道静脈瘤からの出血量,病状の悪化因子,治療期間,熟練度などにより異なる.
内視鏡的硬化療法は,CrafoordとFrenckner2)により,1939年に始められたが,その後Fearon3),Orloff4),Hunt5)により行われている.JohnstonとRodgers6)は硬化療法を117症例に217回施行し,81%症例で止血し,73%は1回の注入で十分であったと報告した.その後,多くの報告が行われているが,わが国でも内視鏡的硬化療法は,内視鏡が普及していることもあって多くの施設で採用され,硬化療法を受ける患者は急速に増している.
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