特集 術後1週間の患者管理
Ⅰ.術式別:術後1週間の患者管理
10.血管系の手術
深部静脈血栓摘出術
松本 興治
1
,
小池 茂文
1
,
大川 育秀
1
,
橋本 昌紀
1
,
馬場 寛
1
1国立療養所豊橋東病院心臓血管外科
pp.216-221
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902050
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深部静脈血栓症の急性期症例に対する血栓摘出術は,保存的治療に比べ有効な治療法である.術後管理では,頻度は低いとはいえ肺塞栓症に対する注意と対処が重要である.一方,血栓形成による再閉塞の防止が術後治療の中心となる.ヘパリン,ワーファリンなどによる抗凝固療法を徹底し,かつ残存血栓などの溶解を目的として線溶療法を加える.また,静脈血のうっ滞防止のため患側下肢の高挙,弾力ストッキングの装着,早期の歩行開始を指導する.下肢のmilkingや空気圧マッサージは残存血栓を押し出し,肺塞栓症の危惧もあり,術後早期には施行しないほうが無難である.
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