特集 術後1週間の患者管理
Ⅰ.術式別:術後1週間の患者管理
10.血管系の手術
腹部大動脈瘤切除術
布川 雅雄
1
,
重松 宏
1
,
武藤 徹一郎
1
1東京大学医学部第1外科
pp.211-215
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902049
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背景に動脈硬化性変化という全身性疾患が存在し,虚血性心疾患の合併が高頻度にみられることに留意する.呼吸・循環管理では慎重な輸液管理に亜硝酸剤やCa拮抗剤を併用して対処する.腎機能低下例ではドパミンに利尿剤を併用して十分な利尿をはかる.術後せん妄に対しては発症直後から向精神薬を使用する.術後合併症としては,通常の開腹術に伴うものに十分に注意するとともに,術後出血,代用血管の早期閉塞,虚血性腸管障害が血行再建術の重篤な合併症であることを認識し,早期発見と十分な処置を行う.
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