Japanese
English
特集 静脈系疾患診療の新しい展開
深部静脈血栓症
Deep venous thrombosis
石丸 新
1
Shin ISHIMARU
1
1東京医科大学第2外科
キーワード:
深部静脈血栓症
,
静脈血栓後遺症
,
抗リン脂質抗体症候群
,
下大静脈フィルター
Keyword:
深部静脈血栓症
,
静脈血栓後遺症
,
抗リン脂質抗体症候群
,
下大静脈フィルター
pp.681-686
発行日 1994年6月20日
Published Date 1994/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901557
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わが国においても,生活様式の変化や高齢化に伴い,外科手術後や妊娠分娩,また原因の確定できないものも含め,静脈系における血栓症の発生は増加する傾向にあることから,日常診療において念頭に置くべき疾患となっている.最近における血液凝固学的研究の進歩により,凝固阻止因子や線溶因子の先天性欠乏や欠損,また抗リン脂質抗体症候群など,特異的な血液凝固線溶異常による静脈血栓症が注目されており,詳細な検査および家族調査を施行して原因を同定する必要がある.深部静脈血栓症の治療原則は,原因疾患の発見とその治療および適切な薬物療法,あるいは徹底した術後抗血栓療法を前提とした外科治療であり,これによって慢性期の静脈還流不全による後遺症の発生を予防することが重要である.
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