特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
10.血管系の手術
深部静脈血栓摘出術
土田 博光
1
,
石丸 新
1
1東京医科大学外科学第2講座
pp.210-214
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902478
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深部静脈血栓症(DVT)はまず診断がつき次第,抗凝固療法を開始し,急性期(約2週以内)の場合は手術適応を検討する.手術が保存的療法に確実に優れるのは急性期症状の改善で,一般に重症例が対象になる.手術合併症には肺塞栓,出血,静脈穿孔,弁不全などがあるが,肺塞栓や弁不全は手術をしなくても起こりうる合併症である.緊急手術を行わない場合は線溶療法を行うが,その効果によっては準緊急手術を行えるよう準備を進めておく必要があり,治療,検査を進めながら患者,家族のインフォームドコンセントを得ることにより,治療のタイミングを逃さないよう心がけるべきである.
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