Japanese
English
手術手技
ラパロリフトを用いた吊り上げ法による腹腔鏡下胆嚢摘出術の経験
Gasless laparoscopic cholecystectomy with use of Laparolift system
片山 寛次
1
,
新本 修一
1
,
関 弘明
1
,
中川原 儀三
1
,
片山 外一
2
Kanji KATAYAMA
1
1福井医科大学第1外科
2つくし野病院外科
キーワード:
ラパロリフト
,
腹腔鏡下胆嚢摘出術
,
腹壁吊り上げ法
Keyword:
ラパロリフト
,
腹腔鏡下胆嚢摘出術
,
腹壁吊り上げ法
pp.1479-1483
発行日 1994年11月20日
Published Date 1994/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901720
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はじめに
現在行われている腹腔鏡下胆嚢摘出術のほとんどは,二酸化炭素による気腹法を用いている.しかし,気腹による合併症として,皮下そのほかの気腫,ガス塞栓,高炭酸ガス血症などが報告されている1).また,気腹による腹腔内圧上昇は,下大動脈からの血液還流を減少させ,心拍出量の低下,低血圧をもたらし,時には肺塞栓の原因ともなる2).したがって,循環器や呼吸器に障害をもった症例では,気腹圧をかけることに注意を要するといわれる.気腹装置,高価なトロッカーや専用の鉗子類,エンドクリップなどは気腹法では不可欠であるが,腹壁吊り上げ法を用いた平圧下における内視鏡手術では必ずしも必須ではなく,より経済的である.しかし,従来のキルシュナー鋼線やU型リトラクターを使った腹壁吊り上げ法は侵襲的であり,また手技的に煩雑である3).
最近われわれは,簡便かつ安全に平圧下で腹腔鏡下手術が行える腹壁挙上機器ラパロリフト®を導入,9症例に胆嚢摘出術を試行したので,その経験を報告する.
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