Japanese
English
外科医の工夫
自家製吊り上げ鉤を用いた腹壁全層吊り上げ法によるD2,D3腹腔鏡補助下大腸手術の経験
Laparoscopic colorectal surgery utilizing an abdominal wall lifting method
西井 宏有
1
,
平井 利幸
1
,
小原 弘嗣
1
Hirotomo NISHII
1
1藤枝平成記念病院外科
キーワード:
腹壁吊り上げ法
,
腹腔鏡下大腸手術
Keyword:
腹壁吊り上げ法
,
腹腔鏡下大腸手術
pp.355-359
発行日 1996年3月20日
Published Date 1996/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902243
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
腹腔鏡下胆嚢摘出術が爆発的に普及して以来,内視鏡下外科手術のあらゆる領域に広がり,結腸直腸手術の領域にも及んできている。腹腔鏡下に結腸直腸手術を施行した報告のほとんどは気腹法にて行っている.しかし,気腹による合併症として高炭酸ガス血症,ガス塞栓,皮下気腫などがあり,気腹による腹腔内圧上昇は,下大静脈からの血液還流を減少させ,心拍出量の低下,低血圧をもたらし,時に肺塞栓の原因となる1).
われわれは従来より気腹を用いず,自家製吊り上げ鉤を用いた腹壁全層吊り上げ法による腹腔鏡下胆嚢摘出術や腹腔鏡補助下大腸手術を施行し,良好な結果を得ている,今回適応症例を大腸sm癌や進行癌に広げ,D2,D3腹腔鏡補助下大腸手術を8例に行い,良好な結果を得た.吊り上げ法では気腹の影響を考慮にいれないですみ,呼吸器系や循環器系に問題を有する症例や,全身状態の不良な患者,高齢者にも比較的安心して手術を行えるという利点がある.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.