臨床外科トピックス 消化器外科領域におけるサイトカインとその周辺・2
敗血症・臓器不全におけるサイトカインの役割
齋藤 英昭
1
,
福島 亮治
2
,
武藤 徹一郎
2
Hideaki SAITO
1
1東京大学医学部附属病院手術部
2東京大学医学部附属病院第1外科
pp.615-622
発行日 1994年5月20日
Published Date 1994/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901546
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はじめに
外科,特に消化器外科においては,化膿性腹膜炎や急性膵炎の経過中に敗血症症状や臓器不全を併発し不幸な転帰をとる症例が少なくない.このような敗血症や臓器不全の発症に関しては,これまで種々のメジエータが議論されてきた.しかし,最近の遺伝子工学や免疫学の進歩で,それらのメジエータの役割も次第に明らかになりつつある.うちでも腫瘍壊死因子(TNF)やインターロイキン1(IL-1)などのサイトカインが,病態発症の機序の解明やあらたな治療法の開発の点で注目されている.すでに筆者は本テーマに関する総説1-3)を書いてきたが,本稿では再度,“敗血症・臓器不全におけるサイトカインの役割”を強調したい.
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