臨床外科トピックス 消化器外科領域におけるサイトカインとその周辺・4
肝不全におけるサイトカインの役割
有井 滋樹
1
,
門田 一宣
1
,
古谷 正晴
1
,
藤田 真一
1
,
石黒 聡
1
,
中村 敏夫
1
,
今村 正之
1
Shigeki ARII
1
1京都大学医学部第1外科
pp.869-876
発行日 1994年7月20日
Published Date 1994/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901585
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はじめに
サイトカインとは,免疫担当細胞をはじめとする種々の細胞から産生される生理活性物質である.サイトカインの基本的な役割としては,細胞間相互作用を担い,生体の恒常性を維持することにあると考えられている.サイトカインが産生されると,それに対応する特異的なレセプターに結合することにより,細胞は活性化され,生理活性が発揮される.そして一方では,サイトカイン産生の調節機構によって巧妙な制御を受けている.しかし,この調節機構が崩れ,サイトカイン産生異常が出現した場合,様々な臓器障害,組織障害を惹起すると考えられる.
このような観点から,与えられた命題について私たちのデータを中心に概説してみたい.
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