カラーグラフ シリーズ・新しい内視鏡治療・13
胃迷走神経切離術
木村 泰三
1
,
桜町 俊二
1
,
吉田 雅行
1
,
小林 利彦
1
,
大石 真広
1
,
後藤 秀樹
1
,
吉野 篤人
1
,
高林 直記
1
,
原田 幸雄
1
1浜松医科大学第1外科
pp.1105-1109
発行日 1993年9月20日
Published Date 1993/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901236
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はじめに
腹腔鏡下に行う胃迷走神経切離術(以下,迷切)には,いくつかの手技が報告されている.Mouiel1)による幹迷切+バルーンによる幽門輪拡張,Katkhouda2)による前壁漿膜筋層切開+後幹迷切(Taylor3)の手術),Bailey4)による前枝選択的近位迷切+後枝幹迷切,木村,桜町5)による選択的近位迷切などである.
迷切の歴史のなかで,選択的近位迷切が最も合理的な手技と是認されているにもかかわらず,腹腔鏡下に前三者のような手技が行われたのには理由がある.すなわち,選択的近位迷切は,腹腔鏡下に行うには手技が複雑すぎ,不完全迷切になることが懸念されたからである.われわれは,動物実験を重ねたあと,腹腔鏡下にも選択的近位迷切は可能と考え,臨床応用してきた.術式を術中写真を用いて解説し,手術のコツを述べ,成績を報告する.
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