Japanese
English
特集 食道癌治療への集学的アプローチ
Barrett食道と食道癌
Barrett's esophagus and carcinoma of the esophagus
西巻 正
1
,
田中 乙雄
1
,
鈴木 力
1
,
田中 陽一
1
,
渡辺 和夫
1
,
藍沢 喜久雄
1
,
畠山 勝義
1
,
武藤 輝一
2
1新潟大学医学部第1外科
2新潟大学
キーワード:
バレット
,
食道
,
円柱上皮化生
,
前癌病変
,
食道腺癌
,
臨床病理
Keyword:
バレット
,
食道
,
円柱上皮化生
,
前癌病変
,
食道腺癌
,
臨床病理
pp.1169-1175
発行日 1993年9月20日
Published Date 1993/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901245
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Barrett食道は化生性円柱上皮により3cm以上下部食道がおおわれる異常で,慢性的胃食道逆流の結果生ずる後天性疾患である.Barrett粘膜は組織学的にspecialized columnarepithelium(SCE),junctional-type, fundic-typeに分類され,SCEは生検でのBarrett食道の診断に重要である.Barrett食道は食道腺癌の発生母地と考えられ,dysplasia-carcinoma sequenceを経て癌化するとされる.dysplasia,特にhigh-grade dysplasiaは内視鏡的フォローアップにおいて癌化のよい指標で,SCEから発生する場合がほとんどである.Barrett早期癌の肉眼型は隆起型,平坦型が多く,組織学的には大半が高分化腺癌である.現在,癌化の早期診断のためBarrett食道患者を対象に内視鏡的フォローアップが施行されており,Barrett食道癌切除後成績の向上に寄与することが期待されている.
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