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特集 胃・十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍に対する迷切術の遠隔成績
選択的胃迷走神経切離術+幽門洞切除術(SV+A)
Long-term results of selective vagotomy with antrectomy for duodenal ulcer
渡部 洋三
1
Yōzō WATANABE
1
1順天堂大学医学部第1外科
pp.1610-1614
発行日 1983年11月20日
Published Date 1983/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208482
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はじめに
迷走神経切離術(迷切術)が本邦で行われるようになつて30年以上経過したが,現在主として行われている術式は,選択的近位迷切術±ドレナージ手術と選択的胃迷切術兼幽門洞切除術(SV+A)である.われわれは1,2),1967年以来Gil—espie & Kay3)による薬物迷切を用いた迷走神経機能検査を十二指腸潰瘍症例に応用し,迷切の適1応を決めてきた.すなわち薬物迷切による減酸効果により,幽門洞切除術(幽切術),SV+A,選胃迷切兼幽門形成術(SV+P)の3術式を行つてきたが,幽切術の適応となる例が最近少なくなつてきたこと,およびSV+P例に高頻度に再発がみられたことなどの理由により,最近われわれは十二指腸潰瘍の全例にSV+Aを行つている.SV+Aはこのほか共存潰瘍,幽門輪近接潰瘍,MAOが20 mEq以上の胃潰瘍に適用されている.
本稿では1960年から1982年までに教室で手術が施行された十二指腸潰瘍症例のうち189例のSV+Aを,330例の広範囲胃切除術(広胃切)および24例のSV+Pと対比し,その遠隔成績について述べる.
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