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特集 今日の甲状腺癌診療
病理組織型と治療法からみた術後遠隔成績
Long-term postoperative outcome of thyroid carcinoma from the viewpoint of histological typing
菅谷 昭
1
Akira SUGENOYA
1
1信州大学医学部第2外科
pp.1555-1560
発行日 1992年12月20日
Published Date 1992/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901052
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甲状腺癌は,病理組織型や年齢あるいは性別などの因子により,生物学的悪性度を含めた臨床病態に特徴的な差異を認め,それらは治療経過や予後に大きな影響を及ぼしている.病理組織型別の術後遠隔成績は,高分化型分化癌ではきわめて良好である.しかし,低分化型では,分化癌であるにもかかわらずその予後はかなり低下する.一方,未分化癌や扁平上皮癌では,治療後5年以上生存する症例はなく,分化癌と比較しきわめて予後不良である.髄様癌の予後は前2者の中間にあるが,散発型症例は家族型に比し治療成績が劣る.今後は,外科療法以外のいろいろな治療手段も有効に組み合わせ(集学的治療),特に予後不良例に対する治療成績の向上に力を注ぐべきである.
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