動脈スイッチ手術の工夫と遠隔成績
長期遠隔成績 動脈スイッチ手術の長期遠隔成績
中野 俊秀
1
,
角 秀秋
,
桧山 和弘
,
塩瀬 明
,
梶本 政樹
,
安達 理
,
桜井 寛久
1福岡市立こども病院 心臓血管外科
キーワード:
危険因子
,
再手術
,
術後合併症
,
生存率
,
大血管転位症
,
大動脈縮窄症
,
大動脈弁
,
大動脈弁閉鎖不全症
,
肺動脈弁狭窄症
,
両大血管右室起始症
,
運動耐性
,
治療成績
,
人工弁置換術
,
大動脈弓離断症
,
大血管スイッチ手術
Keyword:
Arterial Switch Operation
,
Aortic Coarctation
,
Aortic Valve
,
Aortic Valve Insufficiency
,
Double Outlet Right Ventricle
,
Risk Factors
,
Postoperative Complications
,
Pulmonary Valve Stenosis
,
Reoperation
,
Transposition of Great Vessels
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
,
Exercise Tolerance
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
pp.262-267
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008178590
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
当院で行った動脈スイッチ手術202例の長期遠隔成績について検討した。疾患は完全大血管転位(TGA)のI型が119例、II型が59例、肺動脈弁下心室中隔欠損を伴う大血管転位型の両大血管右室起始(f-TB奇形)が24例であった。経過観察期間は16.6±3.5年であった。その結果、累積生存率は10年で90.6%、15年・20年で90.0%であり、疾患別には有意差がなかった。術後の再手術およびカテーテルインターベンション回避率は10年で71.9%、15年で64.0%、20年で60.4%であった。肺動脈狭窄に対する形成術回避率は10年76.4%、15年69.3%、20年65.7%であり、多変量解析による肺動脈狭窄に対する再手術の危険因子は、異種心膜パッチによる肺動脈再建、f-TB奇形であった。明らかな術後遠隔期の冠状動脈閉塞は2例のみであったが、冠状動脈造影で左前下行枝の低形成を6例(3.0%)に認めた。術後遠隔期の運動耐容能テストを165例に施行したところ、年齢と性別による正常値との比較では、運動持続時間は84%と低下したが、最大心拍数と最大酸素消費量はほぼ正常と等しい値を示した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008