特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅴ.併存疾患をもつ外科患者の薬物療法
18.胃・十二指腸潰瘍,ストレス潰瘍
北島 政樹
1
,
高橋 伸
1
,
上田 政和
1
,
島津 元秀
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.191-193
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900991
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薬物療法の意義
胃・十二指腸潰瘍を併存する外科患者において薬物療法がなぜ必要かというと,心窩部の疼痛軽減などに対することはいうまでもないが,本症の合併症の1つである出血を惹起することがあり,その治療のためである.
そこで現在,使用頻度が最も高いH2受容体拮抗剤(H2ブロッカー)やPPI(proton pumpinhibitor)を用いることが必要である.すなわちGreen1)らのin vitroの実験によると,胃内pH5.4以下になると血液凝固や血小板凝集がともに抑制されるからである.すなわち,出血を予防するためにも胃内pHを持続的に保つことが重要である.
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