特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅴ.併存疾患をもつ外科患者の薬物療法
19.慢性肝炎
与芝 真
1
1昭和大学藤が丘病院消化器内科
pp.194-195
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900992
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わが国はアジア諸国の一員であり,先進工業国の中では異例にウイルス肝炎の患者数が多い.例えば,HBウイルス保有者は人口の1.6%,HCウイルス保有者は1.14%(ただし第1世代HCV抗体陽性率)であり,治療を要する慢性肝炎患者数も100万人程度は存在する.よって,このような慢性肝炎患者が何らかの外科疾患により手術を受ける必要に迫られる可能性はわが国では高いといい得る.
従来より,慢性肝炎の診断は表に掲げた犬山シンポジウムで提唱された組織診断が重視されてきた.そして,特に肝硬変への進展が懸念される活動性と,それ程でもない非活動性を見極めることが肝生検の最大の目標と考えられてきた.
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