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特集 若年者癌診療の実際
若年発症の肝・胆嚢・胆管・膵癌
Hepato-pancreato-biliary malignancies in adolescence
松野 正紀
1
,
鈴木 正徳
1
Seiki MATSUNO
1
,
Masanori SUZUKI
1
1東北大学医学部第1外科
pp.1355-1361
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900673
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自験例に基づいて若年発症型肝・胆道・膵原発の悪性腫瘍の臨床像を検討した.肝細胞癌ではHB抗原キャリアーが多数を占め,予後は極めて不良であり,全例姑息的治療に終始したが,肝芽腫および悪性間葉腫の2例では切除が可能で良好な予後が得られた.若年者胆道癌では基礎疾患としての膵・胆管合流異常や先天性総胆管拡張症を重視して検討した.膵癌では通常の膵管癌が多数を占め,高度進行症例のため切除率は低く不良な予後が示された.これらの結果は,若年者ゆえの高い生物学的悪性度にも左右されるが,健康過信による診断時期の遅延に大きな原因がある.若年者に対しては高危険群に限定しない早期診断・早期手術の体系化こそ重要と考える.
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